刹那は私の頬に手を添えて丁寧なキスをする。



「ごめんねきいちゃん。きいちゃんは嫌な思いしてここに来たのに、俺はそれが嬉しくてたまらない」

「……なんで?」

「俺、独占欲が強いからきいちゃんと四六時中一緒にいたかった。
本当は家に帰したくなかった。
きいちゃんとずっと一緒にいられますようにって……それを願って、今やっと叶った」



迷惑かけてると思ったのに、刹那は心底幸せそうな顔でまたキスをしてきた。

甘やかすのはやめてください、私は強情だからもっと欲張りになってしまう。



「っ……甘やかさないで。ラーメン食べに行けないです」

「また泣きそう?いいよ、胸くらい貸してやるから」



お構いなしにとことん甘やかしてくる。

まあ今日くらい、甘えたってバチはあたらないはず。そう思って刹那の背中に腕を回した。