無言で抱き合っていたら、私のお腹の虫が鳴き始めた。

……うわ、なんてタイミング。



「なんか食べた?」

「食べてない……」

「じゃあラーメンでも食いに行く?近所にうまいとこあるから。
あ、泣きやんでからでいいけど」



ラーメンは好物です、それなら早く泣き止まないと。



「泣きやみました!」

「だーめ、まだ目が赤い」



ゴシゴシ擦って涙を拭ったけどダメだと言われた。



「きいちゃんってそういうところ可愛いよね」

「……刹那は私のことなんでも可愛いって言いますよね」

「もうね、存在自体が可愛い」

「なんですかそれ」

「これ、父さんと絆がよく言うんだけどさ。
きいちゃんと出会う前は何言ってんだキモッて思ってたけど、最近になってそれが分かるようになった」