「とりあえず、今週は泊まらせてもらえるとありがたいです」

「いいよ、大歓迎」



連日泊まるなんて迷惑をかけてしまうのに、刹那さらに笑みを深める。

……私と一緒にいること、そんなに嬉しいんだ。

刹那の笑顔を見るとほっとして、なぜか涙が出てきた。



「……おいで」



いきなり来て泣くなんて迷惑すぎる。

そう思って距離をとったのに、そんなに優しく微笑まれたら抗えない。



「すみません、迷惑かけるつもりじゃ……」

「いいよ。俺きいちゃんの泣き顔好きだし。
全部俺に見せていいから、俺がいないとこで泣かないで」



全部を肯定してくれるのに、全てを預ける覚悟がない。

泣き顔なんて見られたくないのに刹那から離れたくない。

こう思うなんて、私も刹那に似てあまのじゃくになってきたかもしれない。