「家族にはちゃんと言った?」

「璃子に、友達の家に泊まるって言いました。たぶんお母さんに伝えてくれると思います」



心配してくれる刹那。

しかし友達、というフレーズに納得いかないように首を傾げた。



「友達じゃなくて彼氏なのに?」

「……璃子の試合が終わったから、付き合ってることを言いたかったんですけど、よりによって今日父が帰ってきてて」

「で、喧嘩になったの?」

「そういう感じです」



「そっか……」と頷く刹那は次の瞬間、満面の笑みになった。



「じゃあしばらく俺の家に寝泊まりすんの?」