「これだけそっくりなら、今でも噂されたりします?」

「高校までは結構ヤクザの息子って目で見られてたけど、最近は全然。
梟が結構消してくれたし」

「ふくろう?」

「荒瀬組お抱えの情報屋。
俺のこと調べても出てこないのは、ウチの情報屋がウェブ上の記事をほとんど消してくれたから」



情報屋……?本当に映画の世界みたい。

でも確かに、不自然なほど調べても何も出てこなかった。

大物ヤクザの息子のことなら少しくらい情報が上がっててもいいはずなのに。



「だから噂だけがひとり歩きしてる感じ」



すると刹那くんはスマホを机に伏せて、どこか遠くを見つめた。



「俺と永遠は、高校卒業を機に組と縁を切った。それを証明するために名字を変えた」