「さっきのキスじゃ足りねえわけ?気持ち伝わらなかった?」

「あっ、いえ十分です……」

「あは、慌てちゃって可愛い」



欲をかいたら返り討ちにあった。

やっぱり刹那くんとの駆け引きには勝てません。



「安心した、きいちゃんが噂に惑わされない人で」



駆け引きには負けたけど、結果的にその表情を見たら解決した。

安心しきって笑う刹那くん。

あれ、そんな無邪気に笑う人でしたっけ。

心を許してくれてる気がして嬉しい。



「だけど……差し支えなければ真実を知りたいです」

「うん、いいよ」



どこまで踏み込んでいいのか、試しに言葉にして伝えたら刹那くんは了承してくれた。

ソファーに寝そべっていた状態から起き上がって、私たちはまた並んで座った。