「焦った、年明けから別れ話かと思った……」



私の胸に顔を埋めてギュッと抱きしめてきた刹那くん。

不安にさせて申し訳ないと思う一方で可愛いと思ってしまった。

だってこんな刹那くんを知ってるのは私だけ。



「すみません、別の意味で怖がらせて」

「怖かった、責任取って俺を甘やかして!」



誰も知らない刹那くんの裏の顔。

こんな甘えん坊だなんて誰が想像できるでしょうか。

優越感と愛されてる自覚で頬がゆるむ。



「明日から音信不通になったりしない?」

「それはこっちのセリフですよ」

「さっきも言ったけど、俺はもうきいちゃんのこと手放せないからそれは絶対ない」

「私を好きって気持ちは本物ってことですか?」



だけどもう一押し、確証が欲しくて直球を投げてみる。

すると刹那くんは口をへの字にして不満げな表情を見せた。