「気分悪くしたらごめん……でもお姉ちゃんが心配で」



考え込む私を見て、ショックを受けたと思ったらしく、璃子は謝ってきた。



「謝らなくていいよ。私だって逆の立場だったら心配になる」

「余計なお世話だったらごめん。
名前を変えてるってことは、もう荒瀬組とは関係ないのかもしれないし。
でも、お姉ちゃんに何かあったらと思うと……」

「璃子、お姉ちゃんは大丈夫。
心配いらないから、早く準備しておいで。明日からまた練習でしょ?
今日くらいいっぱい遊んでおいでよ」

「……うん、分かった!じゃあいってらっしゃい」



気にしてないと示すために、笑いながら話題を変える。

心はざわついて落ち着かなかったけど、璃子に心配させるわけにはいかない。

すると璃子は安心したような笑顔を見せ、私を見送ってくれた。

家から出て刹那くんに今から行くという趣旨のメッセージを送った。

その後に《刹那くん、話があります》と送って、待ち合わせ場所の刹那くんの家に向かった。