威嚇するように眉根を寄せて怖い顔をしてる。



「怖っ、おいおい狼の片鱗が出てるって」

「余計なこと言うな殴るぞ」



私には見せたことのない恐ろしい顔。

確かに狼っぽいけど……それは元ヤン時代のあだ名でしょうか。

そんなことより、大切な友達を敵に回してどうするつもりですか。



「暴力的な人は嫌いですよ」

「ごめんきいちゃん、もうしない」



迫力は劣るけど、刹那くんと同じ表情で睨んでみる。

刹那くんはうなだれた子犬のようにすぐ大人しくなり謝ってきた。

よかった、話せば分かるタイプで──



「……マジ!?刹那、まさかの尻に引かれてんの?やっば、信じらんねえ!」



と安心したのに、なぜか燈くんがゲラゲラ笑い出した。