相川くんはギャップに弱い

「快と永遠は昨日の夜からイッチャイチャしてるに決まってんだろ。
2人とも昨日から連絡つかねーの、ウケる」



そっか、永遠さんの彼氏は快さんだった。

あの2人、イチャつくだけでもさぞ絵になるでしょうね……いつかひと目だけでもいいから見たい。



「走りに行かねえ?って電話したら邪魔すんなって言われたし」

「まあ、俺もきいちゃんとの時間邪魔されたら同じこと言うな」

「……いや、マジで誰?刹那そんなこというタイプじゃなかったじゃん。
最近まで女とっかえひっかえだったのに」



妄想を膨らませていたけれど、燈さんの一言でパンと弾けた。

へえ……“女性をとっかえひっかえ”ですか。

本当に遊び人だったんですね、刹那くん。



「……きいちゃんの前でそんなこと言うなよ」



刹那くんは露骨に視線を外して燈さんを睨む。



「……お前誰?ほんとに刹那?」

「なんだよ、俺は俺」

「本当に……快をボコして黒帝の連中に恐れられてたあの刹那?」



え、ちょっと待って。それは初耳です。

快さんをボコした?つまりケンカしたんですか!?

あの温厚そうな快さんと?



「燈!きいちゃんは俺のこと完全無欠のイケメンだと思ってんだからそういう暴露マジでやめろ!」



まあ、確かに……そうじゃないと舎弟はつきませんもんね。

喧嘩も強いなんて、まあある意味完全無欠ですけど。