相川くんはギャップに弱い





今年のクリスマスは刹那くんと一緒に過ごすことにした。

両親は仕事、璃子は部活の仲間とクリスマスパーティーをするらしい。

私は家で絵を描くと嘘をついて刹那くんとデートへ。

お父さんはともかく、璃子やお母さんに彼氏ができたことをまだ報告できてないから、なんだかそわそわします。



「刹那くん、そろそろ行きません?」

「……ふはっ」

「あの、どうしました?」

「名前で呼ぶのやっと慣れてきた?」

「その顔、心臓に悪いのでやめてください」



今日の刹那くんはいつもに増してかっこいい。

クリスマスデートだからって髪をバッチリセットして色気が2割増くらいになっている。

私も負けじと気合を入れてきたけど、隣を歩くことをためらうくらい魅力的。



「照れるきいちゃんも可愛い」

「刹那、からかわないで」



ニヤニヤして近づいてきたから、牽制の意味も含めて呼び捨てして注意する。

すると刹那くんは、片手で口元を押さえて目を逸らした。