「じゃあ、いつならいい?」



相川くんは可愛い顔をしたまま首を傾げる。

うーん、それを私に聞きます?



「えっと……3か月?」

「うーわ、生殺し期間長っ……」



相川くんは肩をガックリ落としてため息をついた。

長いですか?でも、私だっていろいろ準備というか知識をつけておきたいし。



「ダメならお願いがある」

「な、なんでしょう」

「いい加減、下の名前で呼んで欲しい」



早々に気持ちを切り替えた相川くんは、少しムッとした顔をして私を見た。

……名前、ですか。

刹那くんと呼ぶのは特別な気がしてためらっていた。

気軽に呼べないのは、それだけ好きの気持ちが大きいからだと思う。



「刹那くん……」

「恥ずかしがるの可愛すぎ」



試しに呼んでみたら目を細めて笑った。

いつもの意地悪さに加えて、幸せそうな笑顔。

初めて見る表情に心臓を鷲掴みにされた気分。

その綺麗すぎる笑顔をずっと見ていたくて、相川くんの顔に手を伸ばす。

するとその手を掴まれて、不意にキスをされた。