ノート



誰かとむやみに会える状態じゃないことは俺には明らかで、冷静になってはまたそうでなくなり、また落ち着くという具合だった。
誰かが話しかけるだけでとてつもなく激痛が走ったようになった。

 そういえばとこの前から時間を止めたままの育成ゲームを思い出して、起動しなおす。なかにいるイキモノは生きていた。
ふよふよと動きながら、おはよう、と話しかけてくる。他人の目にはきっともう俺は物にしか映らない。今話をしても自我がわからなくて、他人がわからなくてパニックになるだけだろう。

物同士で戯れておこうかと、熱心に世話をしていた。

午後になり、少しマシになったかと起き上がると着信が来ていた。

「はい……」

「クラスメイトの麻奈美だけど!」

「あぁ」

と言ったけど、印象がない。そこまで親しくないからだ。

「今からこられる?」

頭が追い付かなくて俺はえ? と聞き返した。