ノート


「秋弥は相変わらず可愛いね」
おねーさま的なやつがにこにこしながら言ってきた。
「うっせーよ……」

「そういうとこ、好き」

「再会したのが運命だよね、私らと話さない」

「モテるね」

なっちゃんが囁いてくる。俺は余裕なんかなくて黙ってなっちゃんを睨んだ。
夜中、頼まれたものを買ってきて帰宅したら、急に自分が空っぽになったような空虚な感じに見舞われた。
 適当に台所に荷物を置いてから急いで部屋に戻る。

俺でないとどうしようもないというなっちゃんの頼みは聞けたが自分をなだめるのは自分じゃどうしようもないという事実。

同時にやってくるフラッシュバック。
自己嫌悪が凄まじく俺に襲いかかった。
俺自身のことはもう、どうしようもない。


「頼らないで、もう頼らないで、頼らないで、俺を必要としないで」

壊れたように繰り返す。壊れたのかもしれない。そこら中にあったものを引っくり返して、身体をかきむしった。
傷口が開いて血が出てくる。


 夕飯になってテーブルについても味を感じることはなく、適当に飲み込むように食べて部屋に戻ると、一人でもがいた。
必要じゃない、お前なんか必要じゃない必要じゃないんだ、要らない要らない……
心の中でなにかを必死に拒絶しながら、俺は首を括る紐を探し始めた。
切り刻むだけでも、足りないのははじめてだ。