ノート


 もう涙が出ないことを確認して、顔を上げたら、なっちゃんの困ったような笑顔が間近にあった。

「でも、そういうもんだろ。張り合わせることで団結を強めるんだから」

「わかってる、わかってるんだけどさ……ああいう風な張り合いは俺には向かないなって」

普段同じ教室にいるのに、違うチームにいる友達には、話しかけてはいけないのが、なんだかとても寂しかった。

「色組なんて俺は関係ないって言いたくなって、それが迷惑をかけるのにな」
きっと、俺はとんでもなくずるいやつなんだろう。だめと言われたら、やりたくなるタイプでもある。

クラスメイトを指差して明日あいつは敵チームだと言われたって、どこか緊張感がなかったりしていた。
頑張ろうぜ、なんて言いにいってしまうくらいに。

「わかる。秋弥は本当そういう部分頑固だよ」

なっちゃんが、困ったように、でも愛しそうに言った。

 彼が俺のために困った顔をしてるのを見るのも好きだ。
俺のために困っているんだと思ったらつい、わがままを言いたくなってしまう。

「俺のモットーは必要がないことでは戦わない、だから」

「なにそれ」