ノート


 だから、それに気付ける逸材が居たらなんだか負けたような気になるのだろう。
小さい頃、あまり汗をかいても目立たなくて、表情も具合が悪くても軽めだったらそんなに揺らがない俺を見て、モデルをすすめてくれたやつが居たっけ。

まぁ健康が一番だけど。
「うえーい!」

ドンッ、と背中に何かぶつかった。
見なくたってわかる。

「昨日は、なっちゃんの家に居たんだろ? 楽しいことでもしたか?」

河辺が早口で言いながら笑顔を向けてくる。

「まあ俺よりカッコよくて頭がいいやつはいないから平気だろうが浮気はダメだよ」

俺は思っていたことを聞いた。
「なぁ。平均以上効果って、しってるか?」

「なにそれ」

知らないみたいだ。
俺が彼を見るたびに頭に浮かぶワードは、それなのだが。

「昨日、なっちゃんには勉強を手伝ってもらってたんだよ。お前も混ざる?」
「浮気したら仕置きだな。なにをしようかなー」


急に話題が変わったのは気にしないことにした。