あの棚を見て知った気持ちも。
俺の心を勝手な読み物にされたことも。
河辺だけどうにかしたって、もはや、俺のトラウマには永遠に引き金がついて回り、終わりがないということ。
俺のは、二度と、なおらないのだ。
辛さを吐き出せば、またそれをさらにアレンジして読み物にするだろう。
俺は、あの鵺になってしまうなどごめんだ。
そういえば知り合いが言っていたっけ。
事故にあったやつに、事故現場を再現して見せたってなんの救いでもないと。
そんな、なんの救いの価値も俺にはない本の帯たちには「きみを救いたい」とか綺麗事がかかれていて。
だったら、目の前からなくなってほしい。
そんな言葉で蜜の味にするならいなくなったほうが、よっぽど、救われる。
脳裏に浮かぶ、今も忘れない場面たち。
刃先を向けられ、殺してやる、と言われたこと。殴り付けられたこと。



