ノート


「なっちゃん」
なっちゃんもそうだろうか。
でも今だけは、テレビも雑誌も映画もない、今だけは。
「なっちゃん……」

なっちゃんにしがみついて、ぱたりと動かなくなった俺は次第に目の前が暗くなっていた。

聞こえるのは、他の部員たちが駆けつけてきたこと。カンベなんとかってやつの話をしていたやつの声もある。
悪気はないはずなのにその話題だけで既にキレそうな自分がたまらなくつらい。

「熱中症かもしれない。こいつ、日差しに強くないから」

なっちゃんの頼もしい声が聞こえている。
身体を起こすと、そこは違う家の畳だった。
きょろきょろ、周りを見てみる。
布団の上に寝かされて可愛らしいタオルケットをかぶせられていた。