ノート



 帰宅許可を貰い家に帰った。
部屋の畳の上で、ろくに身体も動かないまま寝転がる。鉛のような身体では布団すら敷けなくて、なにも食えそうではない。

頭の中では幻聴が常について回った。
包丁を取り出してくる人物。俺の上にのって首を絞めようとする姿。
言葉ともつかない叫び声。
回復していたはずの、なにもかもに襲われる。
あの本は、人気が出たら販売されるだろう。
いや、されてるのか。
いろいろと考えたが、どれも、はっきりした思考が出来ず、頭が痛いことだけが、やけにはっきりしていた。


なっちゃん、なっちゃん。

 声にならない言葉が無意味に繰り返された。
心が欲しい。
ただ心が無くて、怖いんだ。