責任をとらせてやる。俺がなくした心の代わりになってもらう。
あいつが読み上げた俺の心なんだから、
もう、あいつをその心にすることで同一にさせてしまえばいい。
そうすれば、きっと、あれを読み上げて楽しみにしたくらい、
たいしたことじゃなかったと思えるだろう。
その夜は、夢を見た。馬乗りになった男が、俺の首を両手で絞めている。
助けてともがくと、何度も腹を蹴られる。
ノートをつけるのをやめてはじめてのことだった。
飛び起きて見た時計は朝の2時。
意識が覚醒したままで、いっこうに眠ろうとしない。
浅い呼吸が短い感覚で何度も何度も繰り返されている。
しかも、書いても楽にならない。そのことが俺を何より苦しめた。
『楽しみ』 という、あのいまいましい声が幾度と無くリフレインする。
やめろ楽しみになんかしないでくれお前を殺してしまいそうだ。いろんな感情がぶわっと沸き上がったが、ノートに書いたりもしない。
どこにも吐き出せない。だとすれば。
彼を、頭のなかでひたすら殴っていた。



