【 将来の夢を書きましょう 】
教室の装飾にはそんなお題で
1人1枚短冊のような画用紙に
それに対する答えを書いたものを貼るのだという。
わたしの夢は___
キュッ、キュとペンを走らせて
頭にぱっと思い浮かんだ夢を文字に起こす。
書き終わってペンを置くと、思ったよりも大きな音でコトンと鳴った。
「麗、書けた?」
隣で眠そうにしていた律くんを起こしてしまたまたみたいで、そう問いかけられる。
「うん、書けたよ」
その返事と共に律くんは紙を覗き込む。
そして、
「おそろいだ」
そう笑って自分が書いた紙を見せてくれた。
- 誰かの希望に、なれますように -
その晩、ひかりんや校長と共に
進路希望調査を書く。
「麗がやりたいことをやりなさい」
2人はいつもそう言って
わたしの背中を優しく、
それでいて力強く押してくれる。
あのね、わたし、教師になりたい。
今が苦しくても、未来が見えなくても、
あなたの進む道は間違ってないよって
可能性を教えられるような。
どんなにどんなに雨が降り続いても、
雷が轟いていたとしても、
吹雪で前が見えなくなっても、
曇り空の日でも、
雲の上はいつも青空なんだよって、
「明日はきっと晴れるよ」って、
誰かの希望になれるような
そんな2人のような教師になりたい。
fin.



