あっという間に倉庫につき、
執事さんにお礼を言って車を降りる。
「麗、開けな」
そう促されて扉を開くと
「「「麗さん、おかえりなさい!!!」」」
大好きな翼のメンバーたちが出迎えてくれた。
「みんな、待っててくれてありがとう。
ただいま」
そう笑いかけるとわーっと歓声が上がる。
その輪の中へ入れば駆け寄ってくるメンバーたち。
「麗さん、聞いてください!」
そう言ってこの前返却されたというテストや
「麗ちゃん、トランプしよう!!」
マジックで使うような無駄に大きなトランプ
「お菓子パーティー!!」
いろんな種類のお菓子に
「手持ち花火ももちろんあります!!」
花火などなど、
それぞれがいろんなもの持ってきて、
早く早くと急かす。
花火に至っては線香花火しかないんだけど?
一気にそんなにできないから!!
「麗ちゃん」
その輪から引っ張り出すように美琴が声をかけてくれる。
その隣には見慣れない顔の男の子が4人。
「麗さん、黎明です。
その節は本当にすみませんでした!!」
今にも土下座しそうな勢いでそう言ったのは1番ガタイがいい男。
他の3人も頭が地面につきそうなくらい深く深く頭を下げている。
「もういいんだよ、
わたしは今元気なんだから」
そう言って頭を上げるように促すと
半泣き状態の彼らが抱きついてきそうになった。
「はい、終わり。もう行くわよ。
じゃあ麗ちゃんはみんなとの時間、楽しんでね」
すかさず美琴が彼らの首を引っ張ってどこかへ行く。
「黎明のことは美琴さんがしごいてるんです。
ほんと、強くて憧れますよね」
どこからともなく朱里くんがやってきて、そう教えてくれる。
その目はどこか悲しそうで、寂しそうで。



