明日はきっと、晴れ。


月日が過ぎて、わたしはもうすぐ退院できるまで回復した。

もうすぐ、というか明後日退院なのだけど。


今日はみんな忙しいらしくて、律くんだけが病院に来てくれた。



いつも複数人で来てくれていたから
律くんと2人きりになることはなかった。



1人になるとあの言葉の意味を考えることはあったし、
何度も練習をしてきた。


だけど…

やっぱり恥ずかしい。



律くんが花瓶の水を入れ替えに行った隙に

顔が赤くなるのを隠すために
とりあえず布団に潜り込んでみた。


「れーい?」
彼が戻ってきたらしく、
布団の外から優しい声が降ってくる。



「ね、外行こう?」
そう言って律くんが布団を剥ぎ取った。


こくん、と頷くと
過保護な律くんは満足そうに笑って
わたしを車椅子に乗せて中庭に出た。



ところで皆さん。
今何月かご存知ですか?

12月だよ??
寒い。とっても寒い。

晴れてるけど寒い。



膝にブランケットかけてるけど寒い!!!!




「麗、好きだよ?」
外に出て、ベンチに腰をかけると律くんはそう言って悪戯に笑った。




それから、真っ直ぐにわたしの目を捉えて



「俺の、彼女になってください」

そう言い切った。


頰が暑くなるのがわかる。

照れを隠すために俯いていると
麗は?と顔を覗き込まれる。




どの言葉を選べばいいだろう。

何度も練習したその言葉は
本番になるとうまく出てこない。


それでも、伝えたいことはただひとつ。


「…わたしも、好きっ!」

見上げた律くんの後ろに広がる空には
1羽の鳥が気持ちよさそうに飛んでいた。