翼の倉庫までは皆で歩いていく。
いつもは免許を持っている校長が送ってくれるけど、
今日は校長は学校に来ていなかったらしい。
なぜか翼のメンバーは校長と顔見知りらしいんだよね。
翼はできてから5年ほどしかたっていないらしいから、
ひかりんと校長が翼の幹部をしていたのではないことがわかる。
「「「こんにちは!」」」
倉庫の扉を開けると次々にメンバー声をかけてきてくれる。
集まって走り込みをしていたり、
バイクをいじったり、
わたしたちが入ってくると作業をやめてあいさつをする。
これはわたしがはじめてこの倉庫に入ったころから変わらず受け継がれている。
みんなかわいいよね。
いつもはあいさつを返してすぐに幹部室へ行くのに、
なにやらお昼のことで話し合いがあるらしくわたしは幹部室から追い出された。
追い出されたというよりは、
わたしのことを思ってのことなのだろう。
走り込みをしているメンバーのところへ行くと嬉しそうに出迎えてくれた。
本当にかわいい。
幹部メンバーがいないのをいいことに
私も今日こそ走り込みに参加しようと思ったけれど、
……案の定メンバーたちに止められた。
「僕らが怒られる前に幹部室で許可をもらってくるか
おとなしくここで俺らを見てるか
どっちかにしてください!!」
メンバーの1人に深く頭を下げて頼まれ、慌てて答える。
「わかった!!!みてるから!みるから!」
確かに幹部室に送り込まれてお昼のように何時間も寝てしまうのはよくないし、
夜ご飯の用意もしたいのでおとなしく見るだけにした。
頭を下げられるのはやっぱり慣れない。



