「やっぱりすごい……いてっ」
おそらくこの短時間で書き上げたであろうノートのページをめくりながら
思わず声に出して感動していると、
今度は強めに頭を叩かれた。
わたしの脳細胞死んじゃったんだけど!
ぷくっと頬を膨らませて頭を叩いた先生を見つめると
「麗は律と共にこのクラスの看板になるんだからしっかりしなさいよ!」
と怒られた。
はぁい、と返事をして水野くんが描いてくれた原画をもう一度見る。
「わたしはこれ?」
そこに描かれていたのは典型的なメイド服。
スカートが短い気が………
膝丈-5と書かれたメモからおそらく相当短くなるのだろうと予想する。
今履いてる制服のスカートですら膝丈だよ…??
わたしの生脚でみんなの目汚さない…?
心配になって先生の方を向くと
「あ、麗に拒否権はないからね?」
先ほど同様黒い笑顔でそう言われた。
律くんを見て水野くんのことだから女装の件はなんとかなるわよ、と返して
「水野くん中心に衣装作り計画的に進めてね。
再度連絡になるけど学園祭は今年は10月の予定よ。
運動会終わってすぐになるけど11月の大抗争には落ち着いてるだろうから!
じゃあ解散!」
と締めくくった。
教師が拳を突き上げて沢山喧嘩してこいよ!と勧めるのは如何なものだろうか、
と思いながらも
すぐそこまで出てきた言葉を飲み込んで
3人と共に倉庫へ向かった。



