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記憶の片隅に残る、大切な思い出たちよ、

ひとつずつ、早く綺麗さっぱり

消えますように。



あなた以上の人には、もう出会うことはない



こんな私のことを見つけてくれて

どんなときも寄り添ってくれて

真っ直ぐに想いを届けてくれたあなたに、



いつの間にか、気づいたら惹かれていた。


大学に入って、周りに知り合いがいなかった頃。

強引な勧誘に負けて訪ねたサークルで、
初めてあなたに出会った。

「あの、彼女、嫌がってますよ?」

私のことを強引に呼び込んだ先輩に絡まれて
腕を掴まれて、

どうしたらいいかわからずに
困っていたところを助けてくれた。


それから学部が同じことを知り
時々行動を共にするようになって、
連絡先を交換して。


「実はあなたに一目惚れしました!
好きです!付き合ってくださいっ!」

「ごめんなさい」

「絶対振り向かせるんで、それじゃ!」

初めての告白は1年の5月。


いきなりのことでびっくりしたけど

その宣言通り、
翌日から熱心なアピールが続いた。



彼のことを好きだと自覚したのは2年の秋。

自覚すると、急に恥ずかしくなって、
目も合わせられないほどに胸が高鳴って、

でもその間も彼は真っ直ぐに気持ちを伝えてくれた。

そんな彼につい、甘えていた。


だけど、3年の夏に開催された学祭で
優しい顔で女の子と楽しそうに話す彼を見て

取られたくない
私から離れてしまうのは嫌だ

そう思った。


「好きだよ、付き合ってください
一生大切にします」


何度その言葉を言わせてしまったのだろう。


「お願いします」

3年の冬、私は彼の手を取った。