今思えば、この頃からキミは忘れ物が多くなった。 風邪をひくことが多くなった。 どこか意識が別世界で生きている感じ。 そんなキミは突然本を読むようになったんだ。 「本を通して違う世界や立場で人生を楽しめるって面白くない?」 そう笑みをこぼす彼女の口癖は いつのまにかそれが俺にとっても当たり前になっていた。