【短編】また会える日まで、君の幸せを願う



「わ〜!!クラゲ!!みてみて!かわいい!!」

水族館に入り、真っ先にやってきたのはクラゲゾーン。

入場すると館内マップを見ながらどこに行きたい?と聞かれるや否や、真っ先に答えたここ。
とにかく、どうしてもここに来たくて、他の展示場をすっ飛ばしてやってきた。


ひゃ〜天国ですか、ここは!!
カシャッ カシャッ とシャッターをきる手が止まらない。

クラゲのなんとも言えない動きが好きで、小さい頃から水族館に来るとなによりもクラゲを見ていた。イルカショーや他のお魚さんのご飯の時間よりも、なによりも、大好きな空間。

クラゲはね、本当に魅力がたくさんあるの!
みんな、クラゲの色が半透明とか透明〜って思ってる人も多いんじゃないかな。
でもね、
青とか白、赤褐色などなど、いろんな色を持つ「カラージェリーフィッシュ」っていう子がいたり、
カラフルな傘と触手が特徴の「ハナガサクラゲ」っていう子がいたり、
薄いピンクの「サカサクラゲ」、鮮やかな赤い触手を持つ「アカクラゲ」などなど、
本当にいろんな色の子がいるんだ!!

形も色々あって。
タコみたいな「タコクラゲ」、突起や触手を持たない「ウリクラゲ」、あと有名なのは「サカサクラゲ」かな…?

動きもそれぞれ違ってて、ゆっくり動くのもあれば、素早く動く子もいて、見てて飽きないんだよね〜。


私はやっぱり王道のミズクラゲがすき!



「そんなに好きなんだね」
ミズクラゲを写真に収めていたら、突然後ろから話しかけられる。

「わわっ、一人ではしゃぎすぎちゃいました…反省…」
「んーん、大丈夫。
俺もかわいいのいっぱい撮れたから」
満足そうに携帯を振るから安心した。

彼もクラゲ好きなんだ!
嬉しく思っていると向こうを指差してイルカショー行こ?と尋ねられる。

肯定を示すために首を縦に振ると、またもや当たり前のように手を差し出された。
………心臓が、うるさい。

心臓の音を忘れるように、頭をぶるぶる振って、差し出された手をまた遠慮がちに握った。