「かほ、お待たせっ!」
「大丈夫!今終わったとこだよ」
2コマ目の講義を終え、講義室を出るとちぇりが駆け寄ってくる。
その隣には見慣れない女の子が立っていて、こちらの様子を伺っている。
「あ、この子は佐倉 玲菜(サクラ レイナ)。
前の授業が一緒で仲良くなったの!」
この後予定ないって言ってたから誘っちゃった〜なんて笑いながら歩き出す。
「かほちゃん、だよね?よろしくね!」
「あ、えと、佐倉さん、?こちらこそよろしくお願いします」
「あはは、玲菜でいいよ?敬語もなし!」
「はい!、じゃなくてわかり、、った」
「ふふっ、ちぇりから聞いてた通りの子だ!かわいいね」
急にお邪魔してごめんね、と眉を下げて謝る彼女に悪い気はしなかった。
きっといい子なんだろうな。
「でしょでしょ!かほ、こんなあたしとも仲良くしてくれるくらいだし、れいもすぐ仲良くなれるよ!」
振り返って満足そうに笑ったちぇりは、早く早く!と私たちを促して店の中に入って行った。
席に着いてスマホを見れば宏樹さんからメッセージが届いていた。
【ぐっすり眠れたよ、ありがとう】
【また遊ぼうね】
「まってかほ、彼氏?!?!」
隣に座ったちぇりに見られていたらしく、驚きの声が上がる。
「違うよ?と、友達!」
「あれ?そういえば確か昨日、水族館行ったんでしょ?」
慌てて訂正するとちぇりはニヤニヤしながら続ける。
「行ったけど…」
昨日のことを思い出せば、ドキドキして、ぼわっと顔が赤くなるのがわかる。
「かほかわいい〜」
頬をつんつんされ、余計に熱が顔に集中する。
耳まで熱くなってきた………
「え〜何その話、わたしにも教えて?」
目の前に座ったれいなちゃんが身を乗り出して尋ねる。
「その前にご飯たのも?ね?」
メニューを広げてれいなちゃんがこちらへくるのを牽制する。
それぞれが頼み終え店員さんが去ると、
ガールズトーク鉄板の、恋バナが始まった。



