【短編】空に翔ける恋



放課後、わたしは沙知と
陸上部とサッカー部、テニス部、それから野球部が活動しているグラウンドに来ていた。

【待ってる】
みーたんから送られてきたメッセージを無視して帰ろうとしていたけれど、

「私陸上部のマネージャー希望なんだよね〜」
という沙知の一言で、制服のまま、陸上部がよく見える場所に立っている。


どうやら今日は種目別に分かれて練習していないらしく、
全員で短距離走のタイムを測っている。

見学には私と沙知を含めて10人ほど女の子が来ていた。

見るからにマネージャー狙いの子たちばかりで、

「結城先輩かっこいい〜」
「笹島先輩もかっこいい〜」
「きゃ〜!!」
とかどこかのアイドルを応援するかのように、黄色い歓声を上げている。


「あっ、花音!」
休憩中にみーたんがわたしを見つけて駆け寄ってくる。

「あれ、花音ちゃん!」
女の子たちから「笹島先輩」と呼ばれていた男の人が続けて駆け寄ってくる。