【短編】空に翔ける恋



「花音」
「澪っ!」

澪こと、みーたんは、わたしの自慢の彼氏です。

あの後、わたしが陸上を再開して、
夏休みに澪が改めて告白してくれた。


その前に告白してくれた柏木くんには丁寧にお断りした。

過去の話だから、もう気にしないで!と笑ってくれた。


澪は、ハードル走でインターハイ出場を手に入れた。


「おめでとう、澪!」
「ん、花音もおめでと」
グラウンドの真ん中で、みんなが見ているというにもかかわらずみーたんは私の頭を撫でる。


「あ〜!!花音の顔真っ赤!」
その様子を見ていた沙知が茶化す。

「茹でたタコじゃん笑」
みーたんがそう言って笑うから
「うるさいっ!」
と言い返してみーたんの胸に顔を沈める。


「そういう澪も真っ赤だけどね〜」
沙知の隣で水分補給していた緑沙先輩も茶化す。

柏木くんがぶはっ!と吹き出し、わたしとみーたんを除く陸上部のメンバーから笑いが起こる。

そして、それにつられて陸上部の練習を見ていた周囲からも笑いが起こる。


去年の4月を思うと考えられないほど、

沢山笑えるようになった。