【短編】空に翔ける恋



わたしたちは高校2年生になった。
陸上部に入部して、初めて出場する大会で好成績を残してから、

周りの女の子たちは手のひらを返すかのように、
陰湿な嫌がらせはぱったりとやんだ。
今も多分、陰口のひとつやふたつ、言われているだろう。

だけどもう気にしない。

大好きな仲間たちが待っているから。


「木原、おめでとう」
「あっ、柏木くん!ありがとう」
同じ短距離で練習してきた柏木くん。
惜しくも県大会4位という結果に終わってしまった。

県大会が終わった日はショックで何も食べなかったと聞いていたのに、
次の日にはもう過ぎたことは仕方ない。
1年後絶対強くなるんだ!なんて意気込んでいた。




「かーのーんーーー!!」
「はいはい、今行きます!」
マネージャーの沙知は相変わらず器用で
沢山の部員のお世話を実里さんと主に2人でこなしている。

他にもマネージャーはいるのだけど、
実里さんと沙知の効率が良すぎて2人で仕事が回っちゃう不思議な才能の持ち主。


「花音ちゃん、おめでとう」
「あっ、緑沙先輩!ありがとうございます!」
緑沙先輩はというと、県大会で3位に入賞したものの、
ずっと脚が悲鳴をあげていたのに知らん振りをしていたためレース終了後、即病院送りに。
沙知にこっ酷く叱られていた。



そして___