【短編】空に翔ける恋



あれから、何事もなく
あっという間に時が過ぎて7月になった。

クラスでは相変わらず無視される日が続いているけど

沙知や柏木くんがまた話してくれるようになった。


わたしの肩を押した同じクラスの女の子3人組はというと、
みーたんや緑沙先輩の影響で大人しくしているみたい。



やっぱり平和が1番だなぁ〜とのほほんとしていると
教室に沙知が駆け込んでくる。



「かーしわぎー!!!!大変っ!!!!」
晴れてマネージャーの一員となった沙知はテキパキとした仕事捌きで部員からもマネージャーの先輩からも可愛がられているそうだ(柏木が言うにはだけど)


沙知は器用で本当に羨ましいなぁ、、



「ってことで今日の放課後グラウンドきてね、花音!」

「はーい!


じゃなくてえっ?!?!?」

沙知の器用さについて考えていたら何も聞いていないのに返事をしてしまったよ………

「もしかして花音、私の話聞いてなかった…?」

目をうるうるさせ、上目遣いで聞いてくる。
ぐぬぬ…これは負ける………

そんな上目遣い、どこで覚えたか後で問いたださなきゃな。

「いや普通にその書類見せてないんだから笑」
呆れたように笑いながら言ったのは柏木くん。

「…なあ、木原も大会で一緒に短距離走らない?」
今度はわたしの目をじっと捉え、瞬き1つせず聞いてくる。

「え、、わたしが……?」