【短編】空に翔ける恋



ぽつり、と鼻の頭に空から落ちてきた。

「な、なんでも…ない、です。
雨降ってきたので失礼します」

この2人にバレる=みーたんにバレる
それだけはなんとしてでも避けたい!と思い
ぺこっと軽く頭を下げ、雨に感謝しながら、
逃げるようにその場から立ち去った。



「ただいま〜」
家に着く頃にはすっかり本降りになってしまった雨に濡れたので急いでお風呂場へ向かう。

家出る前にお風呂沸かして着替えも準備しておいてよかった〜
と学校から帰ってきたばかりの自らの準備の良さを自分で褒め浴室に入る。



雨はすっかり止み、太陽が眩しい。
次の日朝、家を出ると沙知と緑沙先輩が立っていた。

「花音ちゃん、おはよう」
「花音、おはよ!」
そう声を揃えて挨拶する2人に戸惑い、口をポカンと開けていると、

「何そんな間抜けな顔してんだよ笑」
と空から声が降ってきた。
いや、正確には右隣から…
右隣にはみーたんが立っていた。


「なんで…」
そう呟いて3人に背を向け家に戻ろうとする。

「待って!」
沙知がそう言い、私の腕を掴んだ。