はぁっはぁっ
「ん〜!気持ちぃっ!!」
タオルで顔を押さえながらそう叫び、
ひと口、持ってきたドリンクを飲む。
家から少し歩いたところに
小さな公園の奥に流れる川のそばにあるこの広場は
わたしがまだ中学生の頃に見つけ、
グラウンドで練習し足りない日や休みの日に来るようになった。
陸上部には入らなかったものの、
やはり走りたい衝動に駆られ、
この広場で5月の中旬くらいから1人で個人練習し始めた。
2週間くらい経つかな。
相変わらずクラスでは皆から無視されてるけど、
走るようになってから心が軽くなった。
風を切って走っているとふと雨の匂いがした。
さっきまで晴れていた空はいつのまにか黒い雲に覆われ、今にも雨が降り出しそうだ。
雨が降り出す前に帰ろうと思い、
汗を拭いたタオルを持ってきたビニル袋に突っ込み、
荷物をまとめて歩き出す。
早歩きで歩いていると、
「あれ?木原さん?」
「花音ちゃん?」
と聞き覚えのある2人の男の人の声がした。
「あ、柏木くん… 緑沙先輩…」
振り返り確認するとそこに立っていたのはおそらく部活帰りであろう柏木くんと緑沙先輩。
2人の髪がまだ少し汗で濡れている。
「花音ちゃん何してたの?」
Tシャツに短パンという私の普段の陸上スタイルをじろじろと見ながら緑沙先輩は首を傾げる。



