【短編】空に翔ける恋



みーたんに話しかけないでと言って、
みーたんと話さなくなって
もう2週間が過ぎた。

「わたし、陸上部には入らないから」
沙知に改めて宣言してから1週間弱が過ぎた。

沙知を除く、クラスの女子皆から、
無視されるようになってから1週間が過ぎた。


席替えをして、くじ引きで窓際の1番後ろの席になった。

沙知は廊下側の後ろから2番目の席。

席が離れて、
安心したような。
寂しいような。

まだ入学して2週間しか経っていないのに
わたしはもうひとりぼっちになっていた。

つまらなくて、1日1日が長く感じる。



「木原さん、隣の席だね!よろしく!」
「あ、、柏木(カシワギ)くん…」

隣の席になったのは柏木 仁志(カシワギ ヒトシ)くん。出身中学は緑沙先輩と同じで、
陸上部の短距離が専門で、
よく一緒に練習していた顔馴染み。

みーたんや緑沙には敵わないものの
かなり熱心なファンがいる。


「木原さんと同じ高校だなんて嬉しいな」
そう微笑む彼に
「あんまり話しかけない方が身のためかもよ」
と可愛くない言葉を返しておいた。