「あっ!みーたんだ!」
「おはよう、花音」

真新しいセーラー服に腕を通し、
今日から始まる新生活に胸を躍らせながら家を出ると、
少しくたばった学ラン姿の幼馴染のみーたんこと、結城 澪(ユウキ ミオ)が立っていた。


わたしの名前は木原 花音(キハラ カノン)、栄高校の1年生。

そして隣で歩くみーたんは同じ高校の2年生。


4月10日。

何を隠そう、今日は入学式以来、
初めて高校に通う日なのです!!

わたしが通う栄高校は8日に入学式、
9日に始業式と離任式があって、
1年生は9日はお休みなのだ。


「みーたん今日は朝練行かなくていいの?」
「今日は休みだよ」

さりげなく車道側を歩いてくれるみーたんにきゅんとしながら、疑問に思ったことを尋ねてみると優しい笑顔が返ってくる。

みーたんは陸上部に所属している。
小学生の時からクラスで1.2を争う足の速さで、
高学年の時にハードルに出会い、
中学ではハードル走で全中に出場したくらいだ。

軽やかにハードルを飛ぶみーたんは
まるでペガサスが飛ぶように華麗で
見る人みんなの視線を集めてしまう。

すごくかっこいくて、自慢の幼馴染。