姉たちはこの前の秋と冬に相次いで、他国へ輿入れしてしまった。

 政略的意味合いが全くないとは言わないが、父の意向でお見合いというよりはお互いが納得する形で婚姻を結ぶことが出来た。

 近年の王族にしては姉たちはとても恵まれていると言えるだろう。

 一重に、父や大臣、そして騎士たちがこの国を守っていて、今の平和があるからだ。


 この10年ちょっとで、本当に国は平和になったと言える。そうあの日、母との最期の別れの日から……。