「詩月…。」

優しい声を聞き安心する。

詩月は私に近づき大絶叫する。

「どうやってここまで?どうして姐さんと?家は!?あの人は!?」

彼女は私を質問攻めにしたいらしい。
肩を掴んで私の体を物凄く揺らしてきている。

「えっと…実は…。」

「渡さんのカフェで会ったのよ。鬼龍に妹がいるっていうんで、連れてきたのよ!」

莉依さんは、代弁するかのように説明してくれた。

「で、でもっ!彼処から出てくるなんて容易じゃないわ!お姉ちゃん何したの!?」

んー…何したと言われても…。

「少し休暇をもらえたの。体を休められる唯一の休暇だわ。」

ニコりと詩月に微笑む。

条件があることは言えない。
詩月が心配するから。

私があの家で何をされてきたのか…、詩月は知っているから。

休暇と言っても、納得していない様子だ。