「あー、ゆーちゃんとひーくんが逢瀬してるー!」
気が付くと、こうちゃんがニンマリしながらこちらを見ていた。
恥ずかしいさから顔を隠したくなるが、それが気にならないくらい、ひーくんというワードが気になってしまった。
ひーくんって言われてるの?笑
「広治、うるせーよ。」
「あー、邪魔されてイジけてるわぁ!あー可愛い!」
こうちゃんにイジられてる大樹。
族の総長が子ども扱い?されてて変な感じ。
「今日は大樹の朝ご飯ね!久しぶりだわ、ありがとねん♪」
ニヤニヤしながら去っていった。
あーもう、こうちゃん、絶対みんなに言いそうだわ。
今更ながら、恥ずかしくて顔が赤くなるのを感じた。
「飯、食うぞ。」
ぶっきらぼうに言う大樹を、追いかけるように顔を上げて歩く。
もう、こっちは恥ずかしくなってるのに、大樹は何でそんなに平気なの?
「もう、まって…。」
あれ?
耳が赤い?
照れてる?
大樹は隠しているつもりなようだけど、隠しきれていないくらい耳が赤かった。
普段冷静で、大人顔負けの的確な指示をする大樹も、子どもなのだと改めて感じてしまう。
男の人というイメージがあるが、こういう時は、男の子なんだなぁと。

