階段を降りきったら、ダイニングが明るいことに気が付く。
「―で…なんだ?」
大樹の声が聞こえた。
誰かと話をしているのかな?
「全く、20年前から足取りか掴めないんだもの。」
「光輝の親父さんや優和のお袋さんでもでないのか?」
相手は莉依さんだったことに気が付く。
誰かのことを探してるの?
20年も前から…。
そう考えるも、喉の乾きに根負けしそう。
一歩を踏み出そうとしたとき、莉依さんの言葉に私は驚愕してしまった。
「澤田光秀の現在は、雲隠れしているか、闇医者に頼んで整形して別の人物になり済ましているかのどちらかね。」
え…。
今、澤田って…。
「私が生まれる前からの因縁の相手だからね。私の代でなんとか終わらせないとって思ってるんだけどね。」
「澤田は今何かに手を出してるのか?」
「そーんなこと分かったらすぐ取っ捕まえるっての。」

