闇に咲く華ー偽りの華ー


体が痛いー…。

あぁ…そうか、私はあのまま眠ってしまったのね。
気持ちの沈みがあるからか、体もダルい。

どのくらい寝てたのだろう。
携帯の時刻を見ると、深夜2時過ぎ。
思ってたよりも、結構ぐっすり眠った私は神経が図太いのか。

身体を起こすと、ベッドの近くにあった小さなテーブルに、お祭りのりんご飴がスティック状に切られて置かれていた。
その横には、"りんご飴の食べ方だ。これなら食べやすい。"と書かれたカードがあった。

大樹らしい力強くて美しい字。

「美味しい…。」

一口食べるも食欲はなく、一本を食べきるのに精一杯だった。

ようやく1本目を食べ終えたところで、喉の乾きが強くなった。

寝静まっている時間だから、静かに行けば問題ないだろう。

私はショールを羽織り、静かにキッチンへと向かう。