「し…詩月?」
詩月の衝動買い?に思わず吹いてしまいそうになる。
だって、りんご飴にベビーカステラ、イカ焼き、ヨーヨー、焼きそばにたこ焼き、チョコバナナまで。
「お姉ちゃんと帰ってから食べるんだもん!」
「それにしても買いすぎよ?食べきれないわ。」
どんだけ食べるのかしら。
私、ベビーカステラでお腹がいっぱいになりそうよ。
「結月。」
大樹の声がする方に振り向くと、大きな音と共に色鮮やかな花火が空に舞う。
「綺麗…。」
初めての花火に鳥肌がたつほど感動する。
言葉に表せないほどの美しい大輪の華。
これ以上に美しいものがあるのだろうか。
消えても尚打ち上がる花火。
力強く大空に咲くのを見て、私はー…。
チクりと胸が痛む。
それは、私が世間を知らないからか…。
それとも私がー…。

