「…初めてなのか?」
「う…ん。だから、大樹に聞いてみようと思って。」
何をしたらいいのか…。
「司。」
「了解。」
え?
名前呼んだだけで、司さんは大樹が考えてること汲み取ったの!?
私はワケわからないままなんだけど。
「大樹、母さんが人員10分で送るってさ。」
「流石神子芝財閥。やること早いな。」
「あら、珍しくアタシを引き剥がさないのね。それほど衝撃的だったのかしら?まぁ、神子芝財閥がご贔屓しているところだから最高の物が見れるはずよーん!」
「清宮と姫野が常連なくらいだしな。そんじょそこらのものとは訳が違う。」
こうちゃんと光輝さんまで、何が来るのか分かるの!?
「き…鬼龍、恐るべし…ね。」
「まだまだ、こんなもんで驚くのは早いわよ?」
皆、何だか楽しそうだわ。
その姿を見て、私までもが笑顔になる。
不思議だな。
鬼龍は彼処には無いものが沢山。
初めての事ばかりで戸惑うも、すぐ慣れてしまうのは皆の人徳のおかげなのかもしれない。
私も逃げだせれば…。
そんな事を思っては、出来ないことに落胆するようになってきたことに数日前に気が付いた。
だって私はあと3週間程で"彼処"に戻るのだから。
今まで同様"仕事"に打ち込まなければならない。

