「ついたわよ。ここが鬼龍の倉庫。」

その声に反応するように顔をあげると、そこにはきれいな屋敷があった。

倉庫…てか家だよね?
てかお屋敷だよ。

莉依さん、間違えた?

「間違えてないわよ。昔からこうなのよ。さ、行くわよ。」

…また心を読まれた。

莉依さんはクスクスと妖艶な笑みを見せながら、先に歩き始めた。
置いていかれないように急いであとを着いていく。

莉依さんはどんどん進み、倉庫の扉を開けて中に歩いていく。

すれ違う人が莉依さんに挨拶をしたあと、私の顔をみて固まる。

そりゃそうなるわよね。
見ず知らずの女がいるんだもの。
誰?となるはずよ。

莉依さんは歩きながら、とんでもないことを口にした。

「私の友達!詩月ちゃんのお姉ちゃんね!」

と…友達!?
え?

それでもどんどん進む莉依さんに、着いていくのに必死だった。

階段を登り、奥の扉を開ける。
扉を開けると、男の人四人の視線がこちらに向く。

「姐さん!いらしてくださったんですね!」
「びびっちゃったー!組長が来るほどびびるわー。」
「姐さん!こんちわ!」
「姐さんどうも。」

姐さん!?
組長じゃなかったっけ?

莉依さんが中に入ると、視線はその後ろにいた私に向く。

四人とも固まる。

…そりゃそうだわ。
下にいた人たちと一緒。