「ん…。」

ここは…総長室か。
私はいつの間にか寝ていたのね。

久々にぐっすり眠れた気がする。
まぁ、正確には疲れきっていたんだろうけど。

だからか、眠気が覚めてしまっている。
時刻をみると、4:00をさしている。

「ベランダに出て風に当たろうかな。」

季節は夏に向かい、じんわりと汗が滲む程になってきている。
けれど外にでるとまだまだ明け方は涼しい。

朝日が少しずつ登り始めるのをじっと見つめて待つ。
外の清々しい空気を、身体一杯に吸い込んでゆっくりと吐き出す。

こうしていることがどんなに幸せか…。

まさか2ヶ月の休みをもらえるとは。
きっと何かしら企んでいることがあるのかしら?

まさかこんなにここがあったかい場所だなんて。
2ヶ月後、戻る時に後ろ髪がひかれてしまいそう。

どうか、これ以上の事は起こりませんように―…。

そう願いながら、明るくなっていく空を見つめる。

私の未来も、こうやって明るくなるといいのに…。

私には逃れられない運命が。

でももし逃れられるのなら…。