私の行動が面白くなかったのか、黒木の笑っていた顔が一瞬で無くなる。
「あーあ、つまんねーの。もっと楽しませてくれるかと思ってたが、ここまでか。」
鈍い音が聞こえたのでハッとすると、黒木は近くにいた男を蹴り上げていた。
あまりの衝撃に目を疑う。
こ…この人、仲間に手を出した?
いや、八つ当たりだ。
思い通にいかず、怒りを形振り構わずぶつけているんだ。
「何なんだよその目は!?スッとしてんじゃねぇよ!!楽しみはこれからだったのによ!?」
2~3人の黒龍のメンバーを袋叩きにしたあと、私のところに来て片手で顎を掴まれる。
「―っ!?」
「テメェ、あんま調子のんじゃねぇぞ!?」
殴られる!
そう思った瞬間、私は思いっきり目をつむった。
だけど、いつまで経っても衝撃は来ない。
恐る恐る目を開けると、目の前には黒木の拳を受け止めている大樹がいた―…。
「ひ…ろき?」
「清宮!?テメェ何しやがる!!」
「それはこっちの台詞だ。女に手ぇ挙げるとはな。どこまで外道なんだ。」
大樹が私を隠すよう間に立つ。
気が付くと私を拘束していた男たちは、こうちゃんや司さんたちにのされていた。
「誰のもんに手ぇ出してんだ?潰すぞ。」

