「なぁ、お前の妹が苦しむ顔、見てみたくないか?」
!?
詩月に手を出そうとしてるの!?
私の弱さに漬け込んで隙が出来てしまったのか、意図も簡単に拘束されてしまった。
「やっぱり、妹には弱いね。ま、自分を犠牲にしてまでも守ったくらいだ。弱みなのはバレバレだ。」
「詩月に手を出してみなさい。私が許さないんだから。」
「段々うるさくなってきたね。」
そう言う黒木の目付きは、ニヒルな笑みなのだが目が笑っていない。
「っ!?」
「お前の弱みは妹。その妹をヤったらお前はどうなるかな?」
「―っ!!この腐れ外道!!」
私が言葉を出したあとすぐに、乾いた音がホールに響き渡る。
頬を思いっきり叩かれた。
口には鉄の味が広がり、叩かれた頬はジンジンと痛みを増す。
ここで屈したら、詩月が…。
自分自身怖い気持ちもあるのたが、詩月が危険に晒されてしまう恐怖のほうが勝っていた。
私は、拘束されている体を振り払おうと抵抗をしながら黒木を睨み上げる。

