どのくらい時間が経っただろう?
私自身護身術しか習ってなかったから、避けたり受け身しか出来ず、相手に大きな打撃を与えられていない。
少しの力で急所を狙い、身を守ることで精一杯。
「はぁ…はぁ…。」
余計な力は使わない術だけれど、これだけの人数では私の体力は足りなくなってくる。
「女よ、やるじゃねぇか。俺は本当に楽しんでいるよ!だが、その体力はどこまで持つかな。」
うるさいっ…。
野次るんじゃないよ。
こっちはあんたを見るほど余裕がないのよ。
きっと詩月と仁くんが鬼龍の皆に知らせてくれているはず。
"必ず来る"。
来ない可能性だってあるのに、そう信じられる自分に驚いてしまう。
こんな短期間で心を許している自分が居るのだから。
それまでに、何とか持ち堪えないと。
それにしても、女に対してこの人数。
卑怯そのものね。
「女の私に寄ってたかって…はぁ…恥ずかしくないの?」
「言っただろ?喧嘩に女も男も関係ねぇと。だから、楽しいんじゃないか!」

