「悪いな。時間とらせてしまった。」
「いや。光輝、どうだった?」
イライラが絶頂にいたが、光輝の声で何とか落ち着いた気がする。
それはイライラした自分を抑えられてホッとしているのか否か…。
「取りあえず、バックは何も居ない。黒龍のみの行動は間違いない。人数は今のところ100と言ったところか。外、中、最深部と部分けされている。ザックリと、外60、中20、最深部20の配置か。人という外壁で固めて侵入できないようにしてるんだろうな。」
チッ。
最深部には結月が居るはずだ。
唯一の救いは、最深部の人数が少ないこと。
外の人数が最深部にいたら何が起きているか…。
そこでまた、心がザワつく。
落ち着け。
光輝の情報は確実だ。
「理由は?」
「あらかた、あの子への報復だろ。黒龍はやりかねない。ただ、俺たちの親たちが潰したとは言え、澤田組の残党がバックについていないとも言えない。ここは引き続き調べないと何とも…。」
まぁ、ここは親父たちも探しているだろうから保留だな。

